8年前、初めて『ひとり旅』をしました。
旅行というと当時の私は
『家族旅行』が当たり前でした。
家族そろって同じ乗り物に乗り
同じ目的地を目指し
同じ部屋に泊まって共に過ごす。
これはこれで楽しいのですが
ある時
「一人で行ってみたい!」
と思ったのです。
きっかけは普段の家族旅行と夫の趣味でした。
家族と共に
我が家の場合、家族旅行の行き先は
たいてい私か夫の思いつきで決まります。
○○が見てみたい、とか
△△を食べてみたい、などなど。
そして子供たちはそれに
ついて行くパターン。
行きたいところに
家族そろって出かけるのは
嬉しいし、楽しい。
また思い出がひとつ増えたなぁとか
記憶に残る体験ができたなぁとか。
あとで見返す写真も楽しいものです。
また子供たちにとって今はよく分からなくても
ひとまず知っ欲しいとか、挑戦させたいとか。
いつか大人になって経験値がアップしてから
もう一度行って見てもらえたらなぁとか。
さまざまな思いがあって出かけます。
子供の頃の自分がかつてそうだったように。
親と行った家族旅行と同じようなスタイルです。
私のポジション
旅行って準備からすでに始まっていると思っています。
母親は準備や気を付けることがとっても多いです。
夫は大人なので自分の準備は自分でしますが。
子供たちは成長と共に
本人に任せる部分も増えましたが
それでも毎回やっぱり気になる・・・。
最終的なチェックや声掛けをすることになります。
例えば寒い時期なら重ね着の融通が
きくものを持っていくように、とか。
着まわせる組み合わせを考えて、とか。
寒い季節ならば手袋や帽子などの
小物も忘れずに、とか。
念のために下着は+αなどなど。
そして万が一の時の薬や保険証の準備。
持ち歩くバッグのチョイスなどにも
(必ず肩に掛けられて両手が自由になるもの!とか)
目を配り、指示を出したり。
そして夫と子供が寝静まった後に
ようやく落ち着いた時間だ~と
やっと自分の準備に取り掛かります。
もっと早くに準備したら良いことは
重々承知しています。
ただね~。
旅行の前だからといって
いつも通りの家事や仕事や
家族の送迎があることは
なんら変わらないのです・・・
結局、毎回いつも自分のことは
いちばん後回しです。
母親ってこういうものだと思っていますが。
我が家はこんな感じです。
自由気ままに♪・・・とはいかない
いざ、出発!
さぁ、楽しみにしてた今日が来た!
・・・実は。
軽い頭痛に見舞われております。
うーん。
楽しみだったはずなのに。
なぜだろう?
なぜかしら?
気持ちはウキウキなのですが
なんだか体調がイマイチ。
家族の手前、黙って頭痛薬を飲みます。
ちょっと寝不足だったかな、と思いながら。
そして道中、ウトウトします。
寝不足が解消されない程度の浅~い眠り。
目的地に到着する頃には
頭痛薬も効いてきてなんとか復活。
さぁ、楽しむぞ!!
ここ、ずっと来たかったし♪
じっくりゆっくりと
あちこち時間をかけて見て回りたい私。
ふと気づくと夫と子供たちがいない。
あれ?
随分と先に行っちゃってる。
もう少しゆっくりペースで見て回りたいのに・・・
こういうことがわりと毎回
繰り返されてきました。
そして頭の片隅である思いが
ふつふつと沸いて来ます。
せっかく来たのに!
しっかり見たいのに!
ペースが合わないなぁ。
旅行に出かけても自由気ままに
いかないわけ!?
ま、据え膳上げ膳なのは
ありがたいけれど。
でもなんだか楽しみ切れていない。
不完全燃焼だわぁ・・・。
夫は子供たちとペースが合うようで
さっさと先に進みます。
あまりに私と距離が空くと
待っていてはくれるのですが。
私としては待たせている
待たれていることに
じわりじわりと心理的な負担が重なり
なんとなく息苦しさを感じます。
そして子供たちがストレートに言い放ちます。
「お母さん、遅い。」
うん。
わかってる。
私から言わせてもらったら
「あなたたち、早い。」
どうやら自由気ままには無理みたい。
夫とのバランス
せっかく来たのに・・・!と
”せっかく病”発症の私と
わりと通常モードの夫と子供たち。
モヤモヤしつつもやり過ごしてはいます。
でもね、ある時、思った。
というか、気づいた。
夫は趣味(アウトドア)のために一人で
または趣味仲間の数人で
出かけることがあります。
同じ目的を持つ大人の仲間同士。
体力も似通った大人の集まり。
自分だけの為に準備をして
自分だけの為に出かける。
存分に体力を使い切り
行った先の景色の写真をたくさん撮って
見せてくれます。
そりゃあ楽しいよね。
自分のペースで思うままに
出かけているのだから。
ん?
なんか不公平な感じがする。
じわりじわりと不機嫌になってきたのが
自分でも分かりました。
なんかお互いのバランスが
取れてないんじゃない!?
なんか夫ばかりずるい。
私も自分のペースで自分の為に
出かけてみたい・・・!
別に夫が悪いわけはないのだけど
送り出すときになんだかモヤモヤしていたのは
この「ずるい!不公平!」という
感情なのだと気づきました。
怒っていても仕方ないから
まずは計画を立ててみよう。
主婦の私ががひとり旅をしてみたらどうだろう?
決意表明
『主婦のひとり旅』を思いついたものの
主婦だから無理?
妻だから?母親だから?
いろいろな思いが巡りました。
夫はどんな反応するかな。
私が留守中の食事は?
子供たちの習い事の送迎は?
両家の両親にバレたら
なんて思われるだろうか。
気になることや心配を挙げたら
キリがない!と気づき・・・
できない理由より
できるように動くことにしました。
そして夫に素直に話してみると・・・
すんなり、一発で
「いいよ、好きに行ってきなよ。」
っしゃあ~~~~~~~!!!!!
一気にボルテージが上がりました☆
夫は自分も出かけているから
私がひとり旅で出かけている時は
家事や子供のことを
請け負ってくれることになりました。
そして両家の両親にはわざわざ言わない。
言わなければ知らないで済む話。
夫がきちんとフェアに判断できる人で
本当に良かったと思いました。
そう。フェアでなくちゃ。
お互いに主従関係でも従属物でもないのだから。
よそはよそ。うちはうち。
お互いに納得がいけば良いのです。
こうして大きな決断をして
『主婦のひとり旅』をすることになったのでした。